【Great Journey in South America】感動と学びの山フィッツロイへ

朝8時過ぎ。
山に入るための荷物だけを持って、
フィッツロイに向けて出発した。
キャンプ場から登山口までは徒歩10分。
私たちと同じような登山客が並んで山に入る。
登山口から登りが続く。
少し茂みの中を歩くと、森を抜けた。
そこには今まで見た中で一番の景色が広がっていた。
思わずおぉ、と声が出るほどの美しさであった。
自然が呼吸している、生きている。
数々の歴史を積み重ねて、
作り上げてきた地球の壮大さに圧倒された。
私たちはこの自然と共に生きている。
ふと、そう感じた。

この素晴らしい景色を横目にしながら私たちはフィッツロイを目指した。
何と贅沢なことだ。
そして1.2時間歩いた先にあの、フィッツロイが見えた。
堂々と聳え立つフィッツロイ。
何と美しくて、かっこいい山なんだ。

テント場を目指してパタゴニアの自然を全力で感じながら歩いた。最高の時間だ。

テント場には、既に登山客が沢山いた。
私たちはいつものボロテントを広げて、
まずは、ティータイム。
この時間がすごく好きだった。
アルゼンチンは蜂蜜が安い。
糖分補給にはもってこいなのでいつも紅茶にぶち込んでいた。
ちなみにこの紅茶はボリビアのホテルから頂戴したものだ。
滅多に泊まらないホテルでは取り放題を良いことにバックパックにスティックコーヒーやティーバッグを鷲掴みして詰めていた。
バックパッカーにはありがたい。モラルねぇな…

その後私たちは下界から持ってきたパスタを調理した。
昨晩作り置きしておいた炒め物も温める。
このソース最高だぜ。フランス人ありがとう。

フィッツロイに向かうのは翌朝早朝。
目指すのは、朝日に照らされる「燃えるフィッツロイ」

翌朝3時ごろ。
朝飯と昼飯を調理。
私たちは山の中でも飯は妥協しない。
どれだけかさばっても荷上げする。
昼飯用にパッキング。
ヘッドランプを頼りにガンガン歩く。
雲に隠れているのがフィッツロイだ。

2時間ほど登るとフィッツロイの麓に到着した。

パタゴニアの冷たい風を浴びながら太陽が昇るのをひたすら待つ。
少しすると、フィッツロイの向い側から太陽が昇ってきた。
空が赤く染まる。
感動的だった。
しかし、太陽が昇ってきてもフィッツロイにかかった雲は晴れない。

「霧の山フィッツロイ」はそう簡単には姿を見せてくれない。

ここ1週間パタゴニアでテント生活をしていて、自然の条理には逆らえないし、逆らわずに共存することの難しさを思い知った。

自然の条理に逆らおうとすると、地球は破壊される。
人間の作り上げた条理や規則的なものなんて所詮人間世界でしか通用しない。
この霧かかった山も本当は人間からしたら晴れろよって思うだろう。
しかし、自然の力は変えられない。
だからこれはこれで美しいと思う心が持てたらとても幸せだと思う。

燃えるような太陽に照らされるパタゴニアの雄大な自然を眺めていると心が満たされる。

だから、晴れたフィッツロイを見れなくても、ここに来て本当に良かったと思った。

フィッツロイはそんな事を教えてくれた。
改めて、自然と共存する厳しさを感じつつも、自然に感謝した。

数時間後、フィッツロイが姿を表した。
息を呑む光景だった。

フィッツロイを拝んだ後は、下山をして街のキャンプ場に戻った。

登山道も美しい!

街に戻ると、風が強く吹いていて私たちのボロテントは今にも吹っ飛ばされそうだった。
咄嗟に対処する。
シャワーを浴びて、翌日からの計画を練る。
明日はまた半日かけての移動だ。

エル・チャルテン最後の日を楽しむ。
いつも通り料理をしてたらふく食う。

エルチャルテン、最高の街だった。

さぁ、明日からはパイネ国立公園を目指して大移動だ。
アルゼンチンからチリへまた国境越え!

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